「機能性低血糖症」に気づいた日⑥

大学の剣道部は、入ってみると新しい発見が多く、これまでとは全く違う世界でした。

練習や独特のお作法はもちろんですが、同学年の部員の半数以上は附属高校上がりで、また残り半分の大学から入学したものの中に、剣道で全国大会に出たトップ選手が揃っており、将来を期待された世代だと言うことがわかりました。

野球の練習は4〜5時間などは普通ですが、剣道の練習は2時間程度で終了します。もちろん激しい格闘技のためでもありますが、それでもイメージしていた体育会の練習密度とはだいぶ違っており、覚悟していた割に楽に感じました。

 

短い練習が終了すると、残りは遊びに行ったり、飯を食いに行ったり。未経験で入ったのが珍しいこともあったのでしょうが、同級生からよく誘われるようになり、新しいもの見たさもあって基本受けるようにしていました。

附属高校出身者は、はっきりとものを言うものが多く、イメージで持っていた育ちのいいお坊ちゃんとは少し違っていました。それでも全体に裕福で、田舎から出てきた自分とは明らかに違う世界で育ってきていることがよくわかりました。

 

また、よくお酒を飲むようになっていました。剣道部では大酒を食らうのが伝統になっているらしく、一度飲み会が始まると、誰かが酔い潰れても終わらないことが普通でした。

 

私の父親とその兄弟には糖尿病を患うものが多く、家系的にその傾向があったことと、父親とその兄弟(叔父)には大酒飲みが多かったのですが、あまり綺麗な酒ではなく、小さい時からその様子が嫌いでした。このため、私は飲酒についてかなり抵抗があったのですが、周りに巻き込まれるように飲むようになっていました。

 

この頃でも、自分のふわふわした感覚はまだなくなっておらず、相変わらず何をしていても心から楽しいと思えない状態が続いていました。しかし、それを周りに悟られるのが嫌で、いつでも楽しんでいるふうを装うようになっていました。いつしかそんな自分の態度が嫌になってきていました。