「機能性低血糖症」に気づいた日②

高校に入学し、自転車で通い始めましたが、集中力がなく、ふわふわした違和感を抱えているのは相変わらずでした。

そんな状態でしたが、やっぱり好きな野球を続けたい気持ちが起きてきて、私は野球部に入部することを決めました。

 

県内一の進学校と言いながら、何度も甲子園に出場している名門でもあり、野球部の練習は非常にハードでした。新一年生は、朝7時にはグラウンドに行き、先輩の朝練に付き合う必要がありました。学校まで自転車で約40分かかるため、朝6時には家を出る必要があり、5時半に起きる生活になりました。

 

8時半に朝練を終え、授業に出ますが、朝練で使ったグラウンドがそのままになっており、一年生は放課後の練習に備えて昼休みはグラウンド整備をする必要があります。このため、毎日2限と3限の休み時間に弁当を食べる、いわゆる「早弁」をしていました。また午後お腹が減るため、クラスの女子に頼んでいつも購買のパンを買ってもらい5限の休みに食べていました。

 

そして6限終了のチャイムが鳴ると猛ダッシュで部室へ行き、着替えて道具をグラウンドへ運び、練習開始です。暗くなるとライトをつけて素振りやトス打撃をするため、終了はいつも9時くらいでした。一年生はそれからグラウンド整備と道具の片付け、ボール磨き、掃除などがあり、さらに2年生による反省会が毎日あるため、部室を出るのが11時を過ぎることもよくありました。練習開始からここまで8時間くらい何も食べていないため、もうお腹はペコペコです。よくグラウンド近くのお店でパンを買い食いしましたが、12時少し前に家に帰り、遅い夕食をとって風呂に入るともう眠くてたまりません。

 

翌朝また5時半には起きて学校に行く生活が続くと、どうしても睡眠時間が短くなるため、授業ではとても起きていられず、いつの間にかほとんど寝ているようになりました。当然成績は急降下し、物理の試験では、これまで見たこともない「5点」をとったりしました。

 

そんなある日、担任の女性教師から呼び出されました。なんの話かなと思って行ってみると、「この状態が続くようでは、あなたがこれまで積み上げてきた栄光がガラガラと崩れていく、その音が聞こえるようです」と言われました。なんでそこまで言われなければいけないのか、と思いましたが、後から聞いたところでは、入試時のテスト、内申ともかなり良かったようです。

 

いずれにしても、入学後最初の学力テストではTopクラスだったものが、あっという間に後ろから50番以内になり、そこは他の野球部やサッカー部、ラグビー部、柔道部の連中と共に卒業まで定位置になりました。